ワクチンと血液製剤の化血研
small middle big   

<a href="en/" target="_blank">English</a>
ワクチンと血液製剤の化血研:化血研を知る sen01 ワクチンと血液製剤の化血研:医療関係者の皆様 sen01 ワクチンと血液製剤の化血研:獣医療関係者の皆様 sen01 ワクチンと血液製剤の化血研:患者ご家族の皆様 sen01 ワクチンと血液製剤の化血研:社会環境への取り組み sen01 ワクチンと血液製剤の化血研:採用情報
space
space
バイクロット®配合静注用

▼ page menu

バイクロット®配合静注用について

インヒビター保有血友病患者の出血に対する止血治療は、インヒビターにより失活する第Ⅷ因子や第Ⅸ因子を迂回(バイパス)する血液凝固反応により止血を達成する「バイパス療法」と、血漿中に存在するインヒビターを中和し、さらに止血レベルに達する高用量の第Ⅷ因子又は第Ⅸ因子製剤を投与する「中和療法」とがあります。

現在、バイパス療法には、活性型プロトロンビン複合体製剤と遺伝子組換え活性型血液凝固第Ⅶ因子製剤の2種類のバイパス製剤が使用されています。
弊所では、活性化第Ⅶ因子と他の凝固因子との組み合わせの中から活性化第Ⅶ因子の止血効果を持続させることができる組成を検討した結果、第Ⅹ因子との併用により止血効果が持続することが明らかとなりました。これらの基礎研究成績に基づき、活性化第Ⅶ因子と第Ⅹ因子を混合した新規バイパス製剤を開発するに至りました。

本剤は、国内献血由来の血漿を原料として製造した活性化第Ⅶ因子と第Ⅹ因子を有効成分として1:10のたん白質重量比で含有する「乾燥濃縮人血液凝固第Ⅹ因子加活性化第Ⅶ因子」製剤です。
なお、本剤は、2009年2月に希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けましたが、先天性血友病インヒビターに限定された指定であったため2014年3月に取り下げ、2014年5月に後天性血友病も含む内容で再指定を受けました。2013年10月に製造販売承認申請を行い、2014年7月に製造販売承認を受けました。



バイクロット®配合静注用の特性

・本剤は、活性化人血液凝固第Ⅶ因子に人血液凝固第Ⅹ因子を混合することにより、「バイパス作用の増強」及び「バイパス作用の持続」をコンセプトとした新規バイパス製剤です。
・本剤は、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定されています。また、国産初の国内献血血漿由来のバイパス製剤です。
・原料となる献血血漿は、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体、抗HIV-2抗体及び抗HTLV-I抗体陰性で、かつALT(GPT)値でスクリーニングを実施しています。さらに、プールした試験血漿は、HIV、HBV、HCV、HAV及びヒトパルボウイルスB19について核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を原料として製造しています。
・ウイルス除去・不活化を目的として、有機溶媒/界面活性剤(S/D)処理、ウイルス除去膜ろ過(平均孔径15 nm)、65℃・96時間の乾燥加熱工程を導入しています。
・最終製品は、HIV、HBV、HCV、HAV及びヒトパルボウイルスB19についてNATを実施し、適合を確認しています。


バイクロット®配合静注用の用法・用量

用法・用量
本剤1バイアルを添付の日本薬局方注射用水2.5mLで溶解します。活性化人血液凝固第Ⅶ因子として、体重1kg当たり症状に応じて1回60~120μgを2~6分かけて緩徐に静脈内に注射します。追加投与は、8時間以上の間隔をあけて行い、初回投与の用量と合わせて、体重1kg当たり180μgを超えないこととします。
用法・用量に関連する使用上の注意
(1)出血頻度の低減を目的とした定期的な投与は避けてください。
(2)本剤1バイアルを添付の日本薬局方注射用水2.5mLで溶解して、活性化人血液凝固第Ⅶ因子として0.6mg/mLの濃度とした後、必要量を投与してください。
(3)初回投与から36時間以内の本剤投与は追加投与として取り扱ってください。
(4)追加投与は1回とし、十分な効果が得られない場合には、血液凝固第Ⅹ因子の蓄積を考慮した上で、他の対処方法も考慮してください。
(5)追加投与の後、次に本剤を投与するまでの間隔は、48時間以上あけてください。



バイクロット®配合静注用の投与量早見表

60μg/kgで投与の場合:投与量(mL)=患者体重(kg)×0.1
患者体重(kg) 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80
投与量(mL) 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0


90μg/kgで投与の場合:投与量(mL)=患者体重(kg)×0.15
患者体重(kg) 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80
投与量(mL) 0.8 1.5 2.3 3.0 3.8 4.5 5.3 6.0 6.8 7.5 8.3 9.0 9.8 10.5 11.3 12.0


120μg/kgで投与の場合:投与量(mL)=患者体重(kg)×0.2
患者体重(kg) 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80
投与量(mL) 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0 11.0 12.0 13.0 14.0 15.0 16.0



バイクロット®配合静注用の臨床試験成績

有効性(止血効果)
関節内出血、筋肉内出血又は皮下血腫を呈したインヒビター保有先天性血友病患者(14名、21出血エピソード)に、総投与量として180μg/kgを超えない範囲で本剤の60μg/kg又は120μg/kgを1回又は2回投与した際の有効率(著効+有効の割合)は、19/21(90.5%)でした。また、出血の重症度別の有効率は、軽度の出血が7/7(100%)、中等度の出血が12/13(92.3%)、重度の出血が0/1(0%)でした。
インヒビター 患者 出血数 著効 有効 やや有効 無効 有効率 (%)
合計
(14名)
21 3 16 0 2 19/21
(90.5%)
血友病A
(8名)
11 1 9 0 1 10/11
(90.9%)
血友病B
(6名)
10 2 7 0 1 9/10
(90.0%)



薬物動態
非出血時のインヒビター保有血友病患者(各投与群4~6名)に、本剤の20, 40, 80, 100及び120μg/kgを単回投与した際の第Ⅶ因子活性及び第Ⅹ因子活性の推移は、下図のとおりでした。また、ノンコンパートメントモデルで解析した120μg/kg投与群(4名)の薬物動態パラメータは、下表のとおりでした。AUC0-t及びCmaxは、本剤の用量に依存して増加し、20~120 μg/kgの用量範囲で線形性を認めました。 byclot01-4

測定項目 AUC0-t (IU・h/mL) Cmax (IU/mL) 半減期 (h) 生体内回収率 (%)
第Ⅶ因子活性 296.33 ± 14.24 105.96 ± 10.23 2.79 ± 0.61 83.4 ± 7.9
第X因子活性 111.26 ± 11.61 4.99 ± 0.46 22.66 ± 1.51 120.9 ± 11.4
※いずれも、バイクロット120 μg/kg投与時の平均値±SD(n=4)

出典:今村匡伸 化血研所報 黎明 2013,22:62-67 改変


薬力学
非出血時のインヒビター保有血友病患者(各投与群4~6名)に、本剤の20, 40, 80, 100及び120 μg/kgを単回投与した際のAPTTとPTの推移は、下図のとおりでした。
APTTは、本剤の用量に依存して補正され、120 μg/kgでは、健康人の基準範囲上限(42.5秒)に達しました。PTは、投与直後に測定限界の6秒台まで短縮し、投与6時間以降は本剤の用量が多いほどPTが短縮しました。APTT補正及びPT短縮は、投与24時間後も投与前値まで戻ることはなく、効果が持続しました。
byclot02-5
出典:今村匡伸 化血研所報 黎明 2013,22:62-67 改変


また、凝固波形解析とトロンビン産生試験の結果は、下図のとおりでした。
凝固波形は、投与前に比べ、本剤の用量が多いほど正常血漿の波形に近づきました。トロンビン産生は、投与前や正常血漿に比べ、本剤投与後に凝固開始時間(Lag time)及びピーク到達時間(Time to peak)が短縮し、本剤の用量が多いほどピーク時のトロンビン産生が高くなりました。 byclot03-4
出典:今村匡伸 化血研所報 黎明 2013,22:62-67 改変


安全性(副作用情報)
国内で承認時までに実施されたインヒビターを保有する先天性血友病患者を対象とした臨床試験において、総投与例55例のうち、6例(10.9%)に9件の副作用が発生しました。このうち重篤な副作用は1件もなく、TAT*増加が3件(全体の5.5%)、血圧上昇、腹痛、発熱、頭痛、血中カリウム減少、口腔ヘルペスが各1件(それぞれ全体の1.8%)でした。
  5%以上 1~5%未満
循環器   血圧上昇
消化器   腹痛
血液 TAT増加  
その他   発熱、頭痛、血中カリウム減少、口腔ヘルペス
※TAT:トロンビン-アンチトロンビン複合体



バイクロット®配合静注用の保管・携帯

保管
・光の影響を避けるために製剤は外箱に入れた状態で、10℃以下で凍結を避けて保管してください。ご家庭では、製剤は必ず冷蔵庫で保管してください。
・製剤は使用する直前に冷蔵庫から取り出し、溶剤を暫く手で温めて室温に戻してから溶解してください。
(溶剤が冷たいままだと製剤が溶けにくかったり、投与時に不快感を感じることがあります)
・バイアルにひびが入っていた場合や、有効期限※が過ぎてしまった場合は絶対に使用しないでください。
(ご家庭にある場合は、後日、病院に返却してください)
※最終有効年月日は箱やバイアルのラベルに印字されています。

携帯
・製剤を長時間にわたって持ち運ぶ場合には、10℃を超えないように気を付けてください。クーラーボックスなどを用意しておくと便利です。



バイクロット®配合静注用の使用方法

バイクロット®配合静注用をお使いいただく際の溶解方法について以下の動画またはPDFでご説明します。


※音声が出ます。

pdfバイクロット配合静注用の溶解方法1.97 MB


バイクロット®配合静注用の製造工程

byclotbyclot05-4

BY1101-141101
 
pageup